ある保護者から、
家では全然勉強をしないのですと・・・・。学習意欲がないように見られます。ついつい、勉強をしなさい・・・、ゲームなんてやめなさい・・・・、テレビも見過ぎ・・・・、高校なんか行かなくてもういい・・・・、など言ってしまうようです。これは、ちょっと・・・・・。
学びの意欲向上をさせるには・・・・。
考えてみましょう・・・。
さまざな体験を重ねることで自信をもつことができる
学習について「得意」「不得意」という表し方をしますが、言い方を変えれば自信があるかないかということです。学習に関する努力を積み上げることで自信をもち、「得意だ」という意識をもてるようになることはもちろん大切ですが、学習以外の「体験」も、学習への自信につながっていることを理解しておくことが大切です。
ではなぜ、「体験」が学習に関する自信につながるのでしょう。
子どもはさまざまな面で自信や不安をもっていますが、それぞれが独立しているわけではありません。
さまざまな体験を通し「自分はいろんなことができるんだ」「多少大変なことや、うまくいかないことがあっても、がんばれば克服することができるんだ」という自信を感じることができた子どもは、学習の面で壁にぶつかったとしても「がんばれば乗り越えられるはず」という気持ちをもつことができるでしょう。そして実際にそれを成し遂げるはずです。
「苦手意識」とは自信がもてないこと
例えば「算数が苦手」といった気持ちの裏側には、「どうせ私にはわからないから」「また間違ってしまうだろうから」といった思いがあるものです。
しかし、小学校4年生の学習内容で、そこまで複雑なもの、難解なものは出てきません。どんな子どもでも、あわてずに取り組めば必ず理解できるもの・・・・。
それなのに苦手意識が芽生えてしまうのは、「どうせわからない、間違ってしまう」というネガティブな気持ちが前面に出てしまうからです。
「たとえ最初はわからなくても、落ち着いて取り組めばちゃんとわかるようになる」と考えることができるためには、自分に対する自信、自己肯定感が必要です。
さまざまな体験を通して自己肯定感を高めることが、学習への自信にもつながっているのは、こういうわけなのです。
「苦手」と言っていても、
「できない」「わからない」ではないのでは・・・・・
「嫌い・興味がない」が苦手意識にすり替わる
子どもの学習に対する苦手意識に結びついているものがもうひとつあります。「好き」「嫌い」という感情です。
例えば「算数が苦手だ」という理由を聞くと、「算数に興味がもてないから」「算数をやろうとすると、なんとなく嫌な気持ちになるから」というお子さまがいます。算数が「できない」のではなく、「嫌い」だから「苦手」と感じてしまうのです。
学年が上がるにつれて学習内容が難しくなりますから、ある意味当然の結果のように見えるかもしれません。
しかし、学習というものは本来、知的好奇心を刺激するものであり、内容が高度になったからといって、面白くなくなるものではありません。むしろ、知る喜びが徐々に大きくなってもいいはずです。このような結果になってしまう理由のひとつとして、子どもの中に「知ることの喜び」が十分に醸成されていないことが考えられます。
知ることの喜びは、お子さま本人がそれを体験することの積み重ねでしか育ちません。新しい物事に出合って驚いたり、気づきを得たりすることで育っていくのです。
知的好奇心を刺激してあげることが、学習意欲の向上につながります
博物館・科学館などで「知ることの喜び」を感じさせる
もうひとつ注目していただきたいのが、教科の学習内容と実体験との結びつきです。
学年が進むと、学習内容が概念化する傾向があります。もちろん義務教育(小中学校)の学習内容ですから、そのほとんどが実際の生活や身の回りの事象と関連しているのですが、それが見えにくくなってしまうのです。このことが、学習内容に興味をもちにくい原因のひとつとなっているのです。
そこでおすすめしたいのが、博物館、科学館といった施設の利用です。これらの施設では、お子さまたちの興味をひきやすいよう、展示に様々な工夫がなされています。それと同時に、詳しい説明も添えられていますし、求めれば係の方にさらに詳しい解説をお願いしたり、質問したりすることもできるので、子どもの興味・関心の幅を広げ、知ることの喜びを感じさせてあげることができます。
だからこそ、くき学園では、豊かな学びとして、
長期休業を中心に行っています。
土曜・日曜日課においても・・・・。
「知ることは楽しい」ということが、さらに子どもに伝わることでしょう。
自分なりにアウトプットすることで体験が自分のものになる
ここで注意していただきたいのは、博物館や科学館を訪れたときに、「おもしろかった、楽しかった」で終わらせないことです。「知ることの喜び」を感じることができても、それに対して自分なりの考えをもつことにつながらないからです。
博物館や科学館で「インプット」があったら、必ず「アウトプット」をする習慣をつけてください。
たとえば、簡単な訪問記録を書くといったことでもいいでしょう。兄弟や友人に、その施設で自分が興味をもったことを伝えるのでもいいでしょう。
見てきたものと関係している本を書店や図書館で探してみるというのも、形は違いますがアウトプットのひとつと言うことができるかもしれません。
何らかのアウトプットを行うことで、体験が自分のものとなり、知的好奇心をさらに高めることにつながり、さらには、学習へのモチベーションを高め、「苦手」意識をもたずに学習にとりくむことにつながるのです。
ポイント
「できないから苦手」なのではなく、「興味をもてない」を「苦手」と表現しているのかも・・・・・。
「知ることの喜び」を感じることができれば、「学び」への意欲も高まります。
「見た」「聞いた」で終わらず、自分なりに「アウトプット」することで、知的好奇心を高めることに・・・・。