子どもたちを見ていますと、個性は皆違います。まず、子どもの実態把握・理解を・・・。そして、保護者との前向きなよい連携を・・・。そして、情報共有し、いろいろな手法で・・、いろいろな工夫を・・・・。
中でも、ある教室では、個性の強い子でも、いつの間にか落ち着くのです。その教室は、学びの環境ができていて、先輩の学ぶ姿を見ているうちに・・・・・。視覚からの情報が大きいのでしょうか・・・・。勿論、普段から、心のお話、豊かな人間性のお話、更には、将来の進路のお話等はしています。心が豊かにはぐくんでいるのでしょうか。
「合理的配慮」の義務化も、学校はなお理解不足? 参考に
相手のちょっとした言葉遣いに敏感で、つい攻撃的になってしまいます。小学校3年生になった頃から、一部の友達の言葉や態度に強いストレスを感じるようになりました。次第に学校に行くのが怖くなり、4年生からは通えなくなってしまいました。
親は学校に、5年生では苦手な子とクラスを分けてもらいたいと伝えました。そして、その結果を事前に教えてほしいと頼みます。しかし、前向きな返答はありませんでした。
教師と保護者の連携 促進のカギは「個別の指導計画」
○○くんは、5歳の時、アスペルガー症候群と診断。集団行動が苦手で中学に入ると学校になじめず、不安定になっていきました。
本人が一番つらいんですよね、やっぱりね。怒られてパニックになって、また教室から出てしまってっていうのが見えるというか。そういうことが続いていることが多かったので、親も息子は特に大変でしたね・・・・。
学校で何が起こっているのか。担任の先生と交換日記をすることにしました。始めた当初、担任からの記述は問題行動の報告ばかりでした。
○○くんがなぜそういう行動をとってしまうのか、先生に丁寧に伝え続けます。しかし、半年間やりとりを重ねても、なかなか状況は変わりません。秋には、担任から「通常学級ではもう難しいのでは」と持ちかけられました。
そんな時、転機となる出来事が起こります。発端は、掃除の時間、紙しか入れてはいけないゴミ箱に別のゴミを捨ててしまったこと。それを友達に注意されたことがきっかけで、Aくんはパニックになってしまいました。
親が○○くんに話を聞くと、「紙ゴミ」と書かれたゴミ箱を「紙」と「ゴミ」ととらえ、紙とゴミを入れていいものだと思ったというのです。発達障がいの子と他の人との間にはとらえ方のズレがあることを、親は先生に丁寧に説明しました。
するとこの出来事をきっかけに、担任からの報告の内容に変化がありました。
できなかったことではなく、
できたことをみつけ、
伝えてくれるようになったのです。
Aくんは少しずつ落ち着いて過ごせるようになっていきました。
交換ノートを通じて教師と保護者が連携し、○○くんの学びにくさや行動の意味を一緒に考えることが、学校を過ごしやすい場所に変えました。こうした「連携」を仕組みとして広げていくために、 重要なカギとなりうるのが「個別の指導計画」では・・・・。
「個別の指導計画」は教師が子ども1人ひとりにあった指導の目標と支援の方法を定めるものです。
例えば1学期に『ドッチボールなどでぶつけられても怒らない』といった指導の目標を立てます。
次に『仲良しペアで投げ合い、ルールを理解させる』といった支援の方法を定めます。そして支援の結果についても記し、次に繋げていきます。
「この『個別の指導計画』は教師だけではなかなか作れません。たとえば学校で起きている問題が、家庭では起きているのか、いないのかといった情報は非常に重要です。そういった実態を把握し、目標を掲げるところも含めて、保護者との綿密な連携が必要になるのでは・・・・・。
2016年6月の発達障害者支援法の改正では、これまで任意だった「個別指導計画」の作成の推進が盛り込まれました。これによって、小学校では平成32年度まで、中学ではその翌年度までに、通級や特別支援学級に通うすべての子どもについて作成が義務化される予定です。
「個別の指導計画」の作成を通して、教師と保護者の連携が促され、子どもに対する共通理解が進むことが期待されます。
教師が抱える悩み 解決の糸口は「チーム支援」
学校側の理解不足が指摘される一方、人手不足で十分なことができず、支援が必要な子どもと他の子どもへの対応の板挟みで悩む先生もいます。
今年、教師12年目になる○○先生のクラスは19人、そのうち発達障害の可能性があり支援が必要な子どもが6人います。トラブルが起きて、その子たちにかかりきりになる間、他の子どもには自習をさせているのを申し訳なく思っています。
さらに、支援を受けている子ども自身も、「みんなに迷惑をかけているのではないか」と心苦しく思っていることに気付き、発達障がいのある子と、そうでない子のどちらも助けられていないと○○先生は悩みます。他の先生に補助を求めたくても、どのクラスも大変で、なかなか助けてもらえないのが現実。学校は慢性的な人手不足に悩んでいます。
「教師1人が頑張るのではなく、学校のなかでチームを作って、その問題や支援策を共有すること。」
担任を支える仕組みとして国が示しているのは、まず、特別支援教育コーディネーターという役割の先生をおき 定め、保護者などから相談の窓口となりつつ、担任や校長、養護の先生などと連携して、一人ひとりの子どもの支援を押し進めます。そして定期的に校内委員会という会議を開いて、学校全体で子どもの支援を検討。さらに学校が困った時には、外部の専門家に相談できる仕組みもあります。
こうした仕組みをうまく機能させるには、まず、校長の手腕、次のような二点が重要・・・・。
1.コーディネーターとなる先生の人選
保護者との連携がうまくいかないケースが多いときには、ベテランの教師をコーディネーターにするなど、必要に応じて誰にするのかを考える。
2、校内委員会では意識の醸成をする
学校で起こっている問題を認識し、それを変えていこうといメンバー全体の意識の醸成が必要。そのためには、年に1回の開催では足りず、月に1~2回とか週1回くらい必要と思われる。
発達障害の子どもの教育が全体の底上げに
発達障害の子どもの教育に力を注ぐ、東京都○○市。支援の必要な子が全国平均よりも多いこの学校では、10年前から改革に取り組んでいます。
授業が始まると、気が散りやすい子が、黒板に集中するため掲示物にカーテンをひきます。漢字が読みにくい子のため、プリントの裏には、ふりがなをふった文章。
さらに、授業の進め方にもさまざまな工夫があります。国語の授業で先生が取り出したのは、この日読む文章にでてくるアリジゴクの写真。
先生:アリジゴクについて知っていること?
男児:穴を掘って、その穴に蟻を落としてそれを食べる。
先生:おー。
目的が曖昧だと混乱する子のため、最初に授業の焦点を定めます。文章の内容を読み解く際にも、工夫があります。
先生:このアリジゴクの写真は、一段落なんですねこれ。
(黒板の他の写真3枚を指さす)
先生:この写真はどの段落に行く写真かな?
(考える子どもたち)
段落ごとに、その内容を現わす写真を選んでいきます。耳で聞いただけでは理解しにくい子のため、視覚化するのです。
発達障がいの子どものため試行錯誤を重ねて10年。その結果、他の子の理解度も上がり、90%が「授業が分かる」と答えるようになりました。
理想的ですね。やれば、どの学校もできるのです・・・・。
「特別支援教育っていうのは特別なお子さんだけで
はなくて、すべての子どもたちが居心地がよい学級
であったり、授業が楽しい、分かりやすいっていう
ことが大事なんじゃないかな」と思っています。
『分かった』とか『楽しい』って言ってくれる実感
がありますので、教員も頑張って取り組んでいると
思います。」と校長先生が。
素晴らしい校長先生ですね。
障がいのある子の困り感をヒントにしたら、皆が分かりやすくなった。「発達障がいの子どもの教育に本格的に取り組むと、教育全体の底上げになるんじゃないんでしょうか。」豊かな人間性のはぐくみになるのではないでしょうか・・・・・。
発達障がいのある子どもをどう理解し、授業の改革や学校全体の変化へとつなげていくか・・・・・。
専門家から
「障害のある子どもたちが望む教育を受けられるには、
多様な仕組みをバランスよく使うことが大事」
「国の調査では、100人中6~7人という割合で発達障害の可能性がある子どもたちがいることが分かっていますが、その6~7人に当てはまらなかった児童は、発達障がいの可能性がないのかといえば、そうではありません。
人間関係の作り方や関わり方など、
多かれ少なかれそういう可能性を持っていると思います。
発達障がいは、稀な障がいではなく、
誰にでも起こりえるものなんだという認識を持てば、
おのずと障がいについて関心がでてくるのではないでしょうか。
通常の学級のなかでもできることは
工夫次第、よい発想、よい手法、
たくさんありますよね。