| 1)第二次性徴と性衝動の高まり
身体的成熟とともに、男性らしい体つき・女性らしい体つきになってきます。このような身体的な変化を、気持ちのレベルで上手に受け止めていくことが大切です。変化に戸惑ったとき、身近にそれらのことについて打ち明けられる人がいるかどうか、打ち明けた相手がしっかり受け止めてくれるかということが、とても大切になってきます。
思春期に性衝動をうまく心の中に位置づけられないと、性的なことを極端に汚いと感じたり、恥ずかしいことと感じて罪悪感が強くなったりします。それがOCDの発症のきっかけになることもあります。
2)自意識の高まり
自分というものに過剰に関心を持ち、人からどう見られているのか、どう思われているのかを気にするようになります。「電車のなかや人とすれ違うとき、みんなが自分を見ているような気がする」と訴える中学生もよくいます。ご自身の思春期を振り返ってみて、このように感じた時期はありませんでしたか?
こうした気持ちがあまりに高まると、対人的な不安が強くなり、人に会うことが難しくなったり、外出を嫌がったりすることがあります。学校では、多くの子どもや大人に囲まれて生活します。対人的な不安が強くなると、学校生活が苦痛になります。
3)親離れの始まり、反抗期の始まり
小学校ぐらいまでは、「お父さんやお母さんのいうことは正しい」「お父さんお母さんは何でも知っている」と、自分の親を絶対視している子どもが多いのですが、中学生ぐらいから、一人の人間として親を相対化して見るようになります。
また、この頃、自分の意見や価値観をもち始めるため、親と意見が対立したり、親が完璧な存在ではないことに腹を立てて、非難したりするようになります。
保護者の方が一番戸惑うのは、
この時期の子どもの反抗ではないでしょうか。
子どもは、保護者に対して秘密をもったり反抗したりしながら、
徐々に親離れを始めます。
自分なりに考えて、さまざまなことに対処していこうとしますが、
内心は不安と心細さもあり、
現実的な生活も、心理的にも、
まだまだ親に依存している状態です。
4)自分らしさの始まり
親と衝突したり、距離を置いたり、ときには反社会的な行動をしたりと、試行錯誤をしながら、誰かの真似ではない「自分らしさ」を模索しているのです。多くの場合、小さいころは、「お父さんみたいになりたい」「お母さんみたいになりたい」というように、なりたい人物像が保護者であることが多いのですが、次第に、芸能人や漫画・アニメの登場人物、身近なあこがれの人など、保護者以外の人をモデルにしながら、自分らしさを求めていきます。ある程度一貫した自分らしさができあがるのは、大学生ぐらいの時期では・・・・。
5)友人関係の変化
中学生のころは、同世代の同性の友だちとの親密なつきあいのなかで自分を見つめていきます。この時期の友人関係は、お互いの共通点や類似性をとても重視した関係性で、そのような関係によって、親離れから引き起こされる心細さや不安感を補おうとします。思春期のお互いの悩みを打ち明けるなかで、信頼関係を築いていきます。
高校生ぐらいになると、また少し友人関係の質が変わります。それは、お互いの価値観や生き方の違いを認めたうえで、信頼関係を深める関係です。また、同性に向かっていた親密さの欲求が、異性にも向かい始めます。異性との関係性のなかで、自分の女性らしさ、男性らしさを発見します。
思春期の心の課題
思春期は、それまで経験したことのなかった激しい情緒を経験し、本人もそれをうまく理解できずに振り回されてしまうような、そんな状態から始まります。
思春期を通して、自分の心身の変化を感じとり、それによって引き起こされる不安や心細さを、初めは人を攻撃したり、一人で落ち込んだりというように「行動」によって表しますが、徐々に、その気持ちを信頼できる人との間で「言葉」で表現できるようになります。そして、その言葉を使って「考えられるようになる」こと、それが精神的に成熟してゆく過程です。これは、心の病気の治療のプロセスとも重なる部分があります。
そのプロセスを経験していくなかで、
ほかの誰でもない「私」という感覚を生み出すこと。
それが、思春期の心の課題です。
保護者の皆さん、学園としても、トコトン応援、支援致します。
家庭だけで悩まないで頂きたく思います。 |