「どうせ僕なんか…」から始まる本当の成長物語

点数よりも大切な“どのように取り組んだか” 

「どうせ僕なんか…」
この言葉は、指導現場で耳にすることが少なくありません。
勉強が苦手、うまくいかない、何をやっても自信が持てない。
そう感じている子どもほど、心のどこかで「頑張りたい」という気持ちを持ちながらも、結果が出ない自分を責めてしまうのです。
今回の一人の生徒も、まさにそのような気持ちを抱えていました。

彼は、春ごろから少しずつ学習に対して後ろ向きな言葉を口にするようになりました。
「どうせ僕なんかやっても無駄だよ」
「テストなんて頑張っても点数とれないし」
そんな言葉の奥には、努力が報われなかった過去の経験が隠れていたのだと思います。
しかし、夏休みのある日、指導員との面談の中で少しずつ心の変化が見られました。
「せっかくだから、夏休みの間に一緒に復習してみようか」
そんな一言をきっかけに、彼は重い腰を上げ、学習に取り組み始めたのです。

 

一緒に取り組むことの意味

最初のうちは、集中力が長く続きませんでした。
問題を解いても、「やっぱりできない」とすぐに諦めようとする姿もありました。
しかし、指導員は決して否定せず、「ここまではできたね」「今の考え方、いいね」と小さな成功を見逃さずに褒め続けました。
少しずつ彼の中に、「もしかしたら、自分にもできるかもしれない」という希望の芽が芽生え始めました。

夏休みの学習では、特に「予習と復習のバランス」を大切にしました。
予習で新しい内容に触れ、復習でそれを定着させる。
ただ知識を詰め込むのではなく、「わからないことをわかるようにするプロセス」を大事にしたのです。
指導員と一緒に問題を解き、間違えた原因を一緒に考え、どうすれば次に活かせるかを話し合いました。
それは、単に勉強の仕方を教えるだけでなく、「考える力」「諦めない力」を育てる時間でもありました。

 

「できた!」という瞬間が教えてくれたこと

ある日、彼が嬉しそうに話してくれたことがありました。
「昨日やった問題、最初はわからなかったけど、先生と一緒にやったらできたんだ」
その表情は、今までの「どうせ僕なんか」と言っていた彼とはまるで別人のようでした。
成功体験が彼の心に小さな自信を積み重ねていったのです。

そして迎えた中間テスト。
彼はとてもとても高い成果を出しました。
点数としても大きく伸び、本人も驚いていました。
しかし、私たちが何より嬉しかったのは、その結果以上に、彼の表情の変化でした。

「先生!先生と一緒に頑張った問題が出たんだ!できたよ!」

そう言って満面の笑みを浮かべていた彼の姿に、心の底からの成長を感じました。

このできた!という言葉の裏には、努力の積み重ねと信頼関係があります。
ただテストで点を取ることだけがゴールではありません。

そこに至るまでの

「どのようにしてとったか」

「どのように取り組んだか」

「今後の生活に活かせるか」こそが、

学びの本質なのです。

どんなに小さな努力であっても、その積み重ねが未来の自分を形づくります。
そして、それを一緒に歩んでくれる大人の存在が、子どもたちにとって何よりの支えになるのです。

 

成果の裏にある“過程”の価値

子どもが成果を出すとき、その裏には必ず「過程」があります。
頑張る気持ちを

引き出してくれた声掛け、

寄り添ってくれた存在、

諦めずに見守ってくれた誰か

それらが積み重なって、初めて本当の意味での「成果・変容」となるのです。
もし点数だけに目を向けてしまえば、その陰で輝いている努力や成長の過程を見失ってしまいます。
だからこそ、私たちは「どのように取り組んだのか」を大切にしていきたいのです。

また、今回の経験を通して、彼自身にも「努力は裏切らない」という実感が芽生えました。
以前の彼なら、難しい問題に出会うとすぐに諦めていました。
しかし今では、「まずはやってみよう」と前向きな気持ちを持てるようになりました。
人は、成功体験を通して「自分にもできる」という感覚をつかむと、行動の仕方が変わります。

この変化こそ、

学びの中で最も大切な「心の成長」と言えるでしょう。

 

学ぶ楽しさを取り戻す

そして、この経験を通して、彼は「学ぶことは楽しい」という感覚も取り戻しました。
「先生と一緒に勉強すると、時間があっという間に過ぎる」
そんな言葉も聞かれるようになりました。
学ぶ楽しさを知った子どもは、次の挑戦に自然と意欲的になります。
それは、テストのためではなく、自分自身を成長させるための学びへと変わっていくのです。

大人ができることは、

子どもの頑張りを結果だけで判断せず、

その「プロセス」を認めることです。

「よく頑張った」「続けて取り組めた」「できるようになった

「お母さん、すごくうれしい

そんな言葉(語尾が大切:共感)が、子どもの心に「自分は認められている」という安心感を生みます。

言葉は、魔法です。

安心感があるからこそ、挑戦できるのです。
挑戦の積み重ねが、自信へとつながり、やがて自立した力になります。

 

大人のまなざしが、子どもの未来を照らす

「どうせ僕なんか…」から始まったこの夏の挑戦は、彼にとって人生の大きな転機となりました。
そして私たち大人にとっても、「信じて寄り添うことの大切さ」を改めて教えてくれました。
子どもは、結果よりも過程の中で大きく育ちます。
その成長を支えるのは、教え導くことよりも、共に悩み、共に喜び、共に歩むことなのです。

これからも、私たちは子どもたちの努力の一つひとつに光を当てていきたいと思います。
「できた!」と笑顔で言える瞬間を、共に作り出していきたいのです。
点数では測れない、本当の意味での「成長」を大切にしながら。
子どもたちが「どうせ僕なんか」ではなく、「僕にもできた!」と言えるように。
その喜びの積み重ねが、きっと彼らの未来を明るく照らしていくのだと思います。

 

保護者の皆さん、

一緒に一緒に頑張りましょう。

何でも相談して下さい。

お子さんの目先の笑顔だけではなく、

将来、元気に働く、真の笑顔のためです。