挑戦する心が子どもを変える

挑戦心が未来をつくる

子どもたちが豊かな未来を切り拓くためには、挑戦心を育てることが欠かせません。
挑戦心とは、困難を前にしてもあきらめず、自分の可能性を信じて一歩踏み出そうとする心の力です。
しかし、現実の教育現場では、勉強に苦手意識を抱き、自分に自信を持てない子どもたちも少なくありません。
そうした子どもにどう寄り添い、挑戦心を引き出していくかは、大人に与えられた大切な使命です。

 

一人の生徒の変化から

ここで、ある生徒の事例をご紹介いたします。
その生徒は勉強嫌いで、学校生活も決して良好とは言い難い状況にありました。
周囲からは「やる気がない」と見られ、自己肯定感を失いかけていたのです。
しかし、ある日、くき学園で指導員と語らう中で、大きな気づきがありました。

何気ない会話の中で彼は「人の役に立つ仕事がしたい」と自ら口にしたのです。
それは本人にとって、初めて自分の真の気持ちを表現した瞬間でした。
そこから理学療法士という具体的な職業に関心を持ち始め、

現在では進路について指導員とともに模索し、日々努力を続けています。
勉強が苦手であった彼が、自分の将来を考え、

挑戦したいという気持ちを持つようになった背景には、大人の寄り添いと対話がありました。

 

大人の役割―真の気持ちを引き出す

子どもの挑戦心は、外から押しつけられて育つものではありません。
子ども自身の内側に眠る「本当の気持ち」を引き出し、それを受け止めてもらうことで芽生えるのです。
そのために大人に求められるのは、まず「傾聴」です。
子どもの言葉を遮らず、最後まで聞き、理解しようと努めること。
次に「共感」です。
子どもの悩みや願いを小さなことと軽視せず、その心に寄り添い、共に感じることが大切です。

さらに、「認める」ことも欠かせません。
小さな一歩や変化を大人がきちんと認めてあげることで、子どもは自分の価値に気づきます。
「失敗しても大丈夫」「挑戦していいんだ」という安心感が、次の一歩につながるのです。
大人の一言や態度が、子どもの未来を大きく変える力を持っていることを忘れてはなりません。

 

くき学園・学校・家庭の連携

挑戦心を育てるためには、一つの場だけでは不十分です。
「くき学園」「学校」「家庭」が連携し、子どもを支える体制を築くことが何より大切です。

くき学園では、放課後の時間を活用し、子どもが安心して自分の気持ちを話せる場をつくっています。
一人ひとりの特性や思いを受け止め、可能性を信じて寄り添うことが基本姿勢です。
そこで芽生えた「やってみたい」という気持ちを、学校が学びにつなげることができます。
例えば、理学療法士を目指したいという思いを持った子どもに対し、

学校では理科や保健体育、さらには実習や体験活動を通じて将来への道筋を示していくことができます。

家庭においては、日常生活の中で子どもの小さな努力や気づきを温かく受け止め、励ますことが重要です。
「今日頑張ったね」「昨日よりできるようになったね」といった声かけが、子どもの自信を大きく育てます。
また、家庭での会話を通じて学校やくき学園での出来事を共有することで、子どもの挑戦心はさらに強められていきます。

このように、くき学園・学校・家庭がそれぞれの役割を果たし、

互いに情報を共有しながら子どもを支えていくとき、子どもは安心して挑戦できる環境に包まれます。
一人の子どもを多方面から支える「チーム」としての働きかけが、挑戦心を継続させる力になるのです。

 

大人自身の挑戦が子どもを育てる

子どもの挑戦心を育てるためには、大人自身が挑戦する姿を見せることも欠かせません。
子どもは大人の背中をよく見ています。
困難に直面したときに工夫し、粘り強く取り組む大人の姿は、何よりも強いメッセージとなります。
「大人も挑戦しているのだから、自分もやってみよう」と感じられるのです。

 

社会につながる挑戦へ

挑戦心は、自己実現だけでなく、社会とのつながりを意識することでより深まります。
「人の役に立ちたい」という気持ちが、子どもを大きく成長させるのです。
理学療法士を目指す生徒のように、自分の挑戦が誰かの役に立つと気づいたとき、挑戦の意味はさらに強くなります。
このような社会的使命感を育むことも、大人が果たすべき役割の一つといえます。

 

挑戦心を育むために

子どもの挑戦心は、一朝一夕で育つものではありません。
くき学園・学校・家庭が互いに連携し、時間をかけて子どもを支える中で、

少しずつ芽吹き、育まれていくものです。

勉強が苦手で自信を失っていた子どもも、大人に寄り添われ、

自分の本当の気持ちを受け止めてもらうことで、未来へ挑戦しようとする力を取り戻すことができます。

挑戦心は子どもの未来を拓く「心のエンジン」です。
大人がそのエンジンに火をともす役割を果たし、

学校や家庭と連携して継続的に支えていくことこそが、子どもの可能性を最大限に引き出す道であるといえるでしょう。