かかわりの中で変わる自分、出会いによって育まれる成長

人は、誰かと出会い、かかわることで変わっていく存在です。

自分一人では見えなかったことに気づき、誰かの言葉やまなざしによって、

新たな一歩を踏み出すことができる・・・

そのような経験を、子どもたちは日々積み重ねながら「自分づくり」へとつなげています。

今日、ある中学生の姿に、私はそのことを改めて教えられました。

普段はどちらかといえば控えめで、自分からあまり声をかけることのなかった生徒が、

自らの意志で私のところへやってきて、

「先生、ちょっとこの問題、一緒に見てもらえますか?」と話しかけてきたのです。

その目は真剣で、自分から学ぼうとする強い意志が伝わってきました。

 

私はその瞬間、言葉にできない喜びを感じました。

 

なぜなら、それは「ただ勉強をする」という行動以上に、

その子自身の内面の変化、つまり“変容”の表れだったからです。

きっかけは、小さなかかわりの積み重ねだったのかもしれません。

日々の挨拶、ちょっとした声かけ、一緒に笑った出来事。

そうしたささやかな触れ合いの中で、子どもは少しずつ「安心」と「信頼」を感じ、

やがて「挑戦してみよう」という気持ちに変わっていくのだと思います。

 

学ぶことは、ただ知識を得ることではありません。

自分の力で課題に立ち向かい、自らの可能性を信じて歩んでいくことです。

そしてその歩みの中で、自分の中にある“まだ見ぬ力”を発見していくことこそが、真の学びなのです。

この中学生のように、自ら行動を起こし、かかわりの中で新しい自分に出会った瞬間、

それはまさに「自分磨き」の始まりです。

今まで気づかなかった自分の一面、隠れていた勇気、まだ開かれていなかった扉・・・

それらが一つずつ開かれていくことで、人は内側から輝きを増し、自らの成長を実感していきます。

 

「出会いが人を変える」とよく言われますが、それは決して特別な誰かとの出会いだけを指すのではありません。

日常の中で交わす言葉、ふとした瞬間の目の合い方、一緒に課題に取り組む時間・・・

そうしたすべての出会いが、人を変えていく大きな力を持っているのです。

 

日々、まさに「出会い」の宝庫です。友達、先生、先輩、後輩・・・多くの人とのかかわりの中で、

子どもたちは自分の立ち位置や役割に気づき、自分らしさを模索しながら成長していきます。

時にはぶつかり、悩み、迷うこともあるでしょう。

しかしそのすべてが、確実に子どもたちの「自分づくり」につながっているのです。

 

「自分づくり」とは、自分の考えを持ち、それを他者とすり合わせながら、

よりよい自分を目指していくプロセスです。そしてそれは、一朝一夕には成し得ません。

時間をかけ、丁寧に、時に立ち止まりながら、自分と向き合っていくことが大切です。

だからこそ、その歩みの中での「小さな成長」に気づき、認めてあげることが、周囲の大人や仲間たちの役割となります。

今日のあの中学生は、ひとつの「自分の壁」を乗り越えたのだと思います。

それは、誰かに頼ることを恐れず、自分から一歩踏み出すという勇気。

たった数分の学習のやりとりでしたが、その後の彼の表情には、確かな自信と誇らしさがにじんでいました。

その成長の瞬間に立ち会えたことに、私自身も深い感動を覚えました。

 

思えば、私たち大人も、数々の出会いを通して成長してきたのではないでしょうか。

恩師のひと言、友人の助け、家族の支え・・・人生の節目には、いつも誰かの存在がありました。

そしてその出会いがあったからこそ、今の自分がある。

そう考えると、子どもたちの成長を支える私たちもまた、

彼らとのかかわりの中で「共に育ち合っている」のだと実感します。

 

これからも、子どもたちの中にある「変わりたい」「成長したい」という思いの芽を見逃さず、

そっと背中を押しながら、ともに歩んでいきたいと思います。

そして、子どもたちが出会いを通して自分を見つけ、自分を磨き、

未来へと羽ばたいていけるような温かな環境を築いていきたいと願っています。

 

子どもは、かかわりの中で変容しながら育っていきます。

そしてその変容こそが、未来への力であり、生きる力の源なのです。

ひとり一人の小さな変化を大切にし、互いに支え合う関係を築きながら、

これからも「出会いが人を育てる」ことの尊さを胸に、子どもたちの歩みを見守っていきたいと強く感じています。