夢を信じて

〇〇くんは・・・こんなとき優しいよね?

〇〇先輩の・・・こんなところを真似たい

〇〇ちゃんはいつも笑顔だね

〇〇くんは、いつも真剣だね

 

なんて、子どもたち同士いつも良いところを見つけあっています。

これはもちろん、一朝一夕でできる話ではなく・・・

まずは、まずは、指導員が良いところを、いつも認め・褒め・・・

そんな雰囲気の中だからこそ、

子どもたち同士でも見つけやすい悪いところではなく、

良いところを見つけることが出来るようになったのだと思います。

 

子どもはやはり大人の様子をよく見ています。

また、雰囲気も感じ取ります。

だから、まずは大人たちが・・・なのです。

 

もちろん、このポシティブさも大切なのですが

子どもの価値とは無限大です。

どんな才能が眠っているのかわかりません。

 

また、未来はいつでも五里霧中。

時代の流れによっては必要とされる人間性になっている可能性すらあるのです。

 

実際に、くき学園の卒業生で

かつて人とのかかわりが苦手で、あがり症で・・・他者を思いやるだけの余裕のない生徒がいました。

しかし、自分と同じような困っている子がいたら、きっとそんな子の役に立つだろう。

だけども、この子の特性などを考えれば・・・教員なんて無理だと考えるでしょう。

 

しかし、現在この子は・・・人の3倍4倍・・・

20倍50倍・・・相当な努力をし

堂々と、OBとしてボランティアとして、くき学園へ支援・指導へやってきてくれています。

また、この様子に・・・子どもたちは、自分をわかってくれる先輩・先生として

必要としているのです。

 

もしも、あそこで・・・可能性がないと打ち切っていたら・・・

 

また、ある別な子の例です。

小さな頃から「観察すること」が大好きな子どもでした。

友達と外で走り回るよりも、公園のベンチに座って虫の動きをじっと見ていたり、

図鑑を開いて植物の名前を覚えたりすることに夢中になるようなタイプでした。

本人もそれが「楽しい」と感じていたようで、

幼稚園の頃からいつも何かをスケッチしたり、

記録ノートのようなものを作っていたのを覚えています。

当時の私は、そんな子の様子を「少し変わった子」と思っていました。

もっと活発に遊んだ方がいいのではないかと心配になったこともあります。

しかし、ある日、その子が自宅の庭で見つけたカマキリの様子を詳細にスケッチし、

食べたエサの種類や動きの違いまで観察記録にまとめていたのを見て、

私は初めて「これは、ただの遊びではない」と気づかされました。

 

その後、小学校に入ると、ある子は自由研究のたびに、動物や植物、

気象などの観察をテーマにし、毎回先生方から高く評価されていました。

中でも、小学五年生の時に行った「地域に生息する鳥の種類と行動パターン」の研究は、

地元の新聞にも取り上げられるほどでした。

双眼鏡を片手に、朝早くから鳥を観察し、

飛来の時間帯や鳴き声の違いを記録していく姿は、大人顔負けの真剣さでした。

 

その研究がきっかけとなり、地元の自然保護団体の活動にも参加するようになり、

中学生になる頃には、自ら講演の発表を行うまでに成長していました。

私は、そんな子の姿に「自分の好きなことを突き詰める力」があること、

そして「自然と向き合う力」があることを、強く感じるようになりました。

高校では生物部に所属し、本格的にフィールドワークや標本作成などに取り組みました。

彼の関心はますます深まり、進路を決める際には迷いなく

「生物学を学びたい」と言いました。

大学進学後もその熱意は衰えることなく、特に昆虫の行動生態についての研究に没頭しました。

講義の合間にも山や森に足を運び、研究データを積み重ねる姿を見て、

「この子は本当に、自分の道を見つけたのだ」と、親として深く感動したのを覚えています。

大学卒業後、その子は大学院に進学し、研究を続けながら、

ある環境コンサルタント会社でアルバイトを始めました。

そこでは、自然環境の保護と開発のバランスをとるための調査や提言を行う業務に携わり、

「自分の観察力が社会の役に立っている」と実感できたそうです。

やがてその会社に正式に就職し、

現在では専門職として環境保全プロジェクトの責任者を務めるまでになりました。

今の彼の姿を見ると、小さな頃に庭で虫を見つめていたあの時間が、

すべてこの現在につながっていたのだと実感します。

あの時、無理に勉強に引き戻さず、

彼の「好き」を尊重してよかったと心から思っています。

天職とは、ただ能力があるから就く仕事ではなく、

「その人が心から夢中になれること」と「社会の中で価値を生むこと」が

重なる場所にあるのだと、その子を通じて学びました。

そして、子どもが持つ特性は、私たち大人が気づくことで、

初めて育まれていくものなのだとも思います。

これからも多くの子どもたちが、自分らしい道を見つけ、

自信を持って羽ばたいていけるように、

子どもの中にある小さな芽を見つけてあげられる存在でありたいと思います。

 

子どもたちは、無限の可能性を秘めています。

その芽を大人たちが勝手に踏みつぶすのではなく・・・

勝手に無理だと決めつけるのではなく

1%でも可能性があるのならば・・・それを、自分色に輝くまで

とことん付き合ってあげることが大切であると思います。

 

また、子どもに新たな価値を見つけ・・・

それを磨き・・・豊かな人間力へと繋げていくことが、私たち大人の未来への義務であると考えます。

 

自分色に輝く日を夢見て

子どもをとことん信じましょう。

 

夢を信じて 生きていけばいいさと

君は叫んだだろう 明日へ走れ・・・