学習において最も大切なことは、ただ一度経験をさせることではなく、
その経験をどのように振り返り、
どのように自らの学びとして根づかせていくかであると言われています。
子どもたちは新しい体験から刺激を受け、心を動かされますが、
その感動や発見も、時間が経てば日常に埋もれてしまうことがあります。
だからこそ、「振り返ること」を学習の一部として丁寧に位置づけ、
体験と学びを結びつけていくことが必要なのです。
そして、その振り返りを繰り返し、さまざまなアプローチで行うことで、
子どもたちの中に学びがより深く浸透していきます。
学習は一度きりの出来事で終わるものではなく、
繰り返す中で自分の言葉となり、自分の考えとなり、
そして自分の生き方へとつながっていく営みなのだと私は考えております。
本日は埼玉県内では「県民の日」ということもあり、
各教室でむさしの村をはじめとしたさまざまな場所へ校外学習に出かけました。
子どもたちは普段の学校生活では感じられない広い世界に触れ、
多くの新しい経験を積むことができたことと思います。
実際に目で見て、耳で聞き、手で触れ、身体全体で感じる経験は、
教室の中だけでは得難い豊かさを持っています。
友達や先生とともに活動することで、普段は見えない一面が表れたり、
互いに支え合いながら過ごしたりする姿も見られました。
そのような体験は、子どもたちの日常に新たな視点を与え、
興味を広げ、意欲を高める貴重な機会となります。
しかし、校外学習は「行って楽しかった」で終わってしまっては、
本来の教育的価値の一部しか得られません。
今日どんなことを感じ、どんなことに気づき、そこからどのような学びを得たのか。
それを言語化し、他者に伝え、他者の振り返りを聞き、
そして自分の中にもう一度落とし込む過程こそが、
学習内容を心に残るものへと昇華させます。
振り返りは一度で終わるべきものではなく、書く、話す、友達と共有する、
時間を置いてまた思い出す、といった多様な方法で繰り返すことが大切です。
こうした繰り返しのプロセスを経ることで、
子どもたちの経験は単なる思い出から「学びの財産」へと姿を変えていきます。
また、本日の校外学習にはさまざまな理由で参加が難しかった子どもたちもいました。
県外に関わっている児童や、学校がお休みにならなかった児童
体調や家庭の事情など、子ども自身にはどうにもできない事情で参加できなかった場合、
その子たちが「参加できなかった」という事実だけを抱えたまま
活動が進んでしまうことは避けたいところです。
参加できなかった子どもたちが次の機会には
「今度こそ行きたい」と心から思えるようにするためには、
参加した子どもたちの学びをただ共有するだけでなく、
ともに仲間の一員として価値ある学びが得られる環境を整えることが重要です。
そのためにこそ、今日の振り返りは
「協働的な学び」としての側面を強く意識する必要があります。
振り返りの中で、子どもたちは自分の経験を語るだけではなく、
「参加できなかった友達にも伝わるように」という視点を持つことができます。
例えば、「○○くんにもこの楽しさを伝えたいね」といった声が子どもから自然と出てきたり、
「写真や絵を使って説明しよう」といったアイデアが生まれたりすることもあります。
このような姿は、単なる活動報告を超え、
互いを思いやる心の育ちや、集団の一体感にもつながります。
また、参加できなかった子どもにとっても、
自分がいなかった場面であっても仲間が自分を意識してくれていたという事実は、
次の学びへの大きな意欲につながります。
さらに、参加できなかった子どもたち自身にも振り返りの場に
参加できるような工夫も求められます。
たとえば、今日はどんな活動があり、
どんな発見があったのかを写真や動画を交えて紹介することや、
友達が書いた振り返りを読んで感想を書くことなど、
参加の仕方はさまざまに考えられます。
大切なのは、「行けなかったから関係ない」ではなく、
「行けなかったけれども仲間の一員としての学びには参加できる」という形を作ることです。
それによって、子どもたちは学びに対して主体的な姿勢を持ち続けることができます。
子どもたちが自分自身の学びを振り返ることは、思考力や表現力の育成に直結します。
ただ事実を並べるのではなく、
「なぜそう感じたのか」
「どんなことに気づいたのか」
「次にどんな行動につなげたいのか」
といった想いを言葉にすることで、子どもたちの内面は整理され、
深まり、そして成長していきます。振り返りは、
他者と比べるためのものではなく、過去の自分と対話し、
未来の自分を形づくるためのものです。
だからこそ、一度だけではなく、繰り返し行うことに価値があります。
本日の校外学習を通して、子どもたちは多くの刺激を受け、
充実した時間を過ごしました。
しかし、それを本当の意味で「学び」に変えるためには、
これからの振り返りが欠かせません。
教室での対話、文章での整理、友達や家族との会話など、
さまざまな形で経験を見つめ直す機会を大切にしていきたいと考えております。
そして、参加できた子どもも、参加が難しかった子どもも、どちらも同じ学級の仲間として学びに関わり合える環
学習とは、経験を重ね、その経験を自分の中に落とし込み、
また次の学びへとつなげていく連続した営みです。
本日の校外学習が、子どもたちにとってただの一日で終わるのではなく
、これからの学びの礎となることを願いながら、
今後も丁寧に子どもたちと向き合ってまいりたいと思います。