まずは環境を考えましょう
古来より「水魚の交わり」という言葉は、
孫権と諸葛亮の関係を表す故事から生まれたと伝えられております。
水と魚とが切っても切れない関係であるように、人と人、
また人と環境は互いに深くつながりあって存在しているのです。
子どもたちの成長を考えるとき、この言葉はまさに的確な比喩であるといえます。
子どもは環境の中で育ち、環境の影響を大きく受けながら自らを形づくっていきます。
そのため、子どもを支える大人たちは「環境を整えること」こそを第一に考えなければなりません。
教育立県を掲げる彩の国において、
私たち「彩の国学舎 くき学園」は、子どもの成長を第一に考え、
より良い教育的環境を整えることに尽力してまいりました。
子どもはひとり一人異なる個性や特性を持っています。
その違いを否定するのではなく、尊重し、共に育ちあう環境を創ることが、
未来を担う子どもたちの健やかな成長に直結すると確信しているからです。
子どもに寄り添う環境づくり
現代の子どもたちは、かつてに比べて学びや生活の場で多くのストレスを抱えています。
学習の難しさ、人間関係の複雑さ、情報化社会における過剰な刺激・・・
こうした要因が重なり合い、「生きづらさ」を感じる子どもが少なくありません。
私たちは、その生きづらさを少しでも軽減し、
子どもが安心して自分らしく成長できる環境を整えることを使命としています。
そのために大切なのは、子ども一人ひとりに合った「構造化」を行うことです。
構造化とは、子どもが生活や学習において迷わず行動できるよう、
環境や流れをわかりやすく整える工夫を指します。
例えば、教室内の掲示物をシンプルかつ見やすく配置したり、
一日の活動予定を視覚的に提示したりすることで、子どもが次に何をすべきかを理解しやすくします。
こうした小さな工夫が、子どもの不安を減らし、自己肯定感を高めることにつながるのです。
構造化による安心感と自立の芽生え
構造化は単なる「整理整頓」ではありません。
それは、子どもの行動や心の流れに寄り添い、未来への自立を促す教育的配慮です。
例えば、活動の手順を図や写真で示すことで、
言葉だけでは理解しづらい子どももスムーズに取り組めるようになります。
また、教室や活動の場をゾーニングし、「ここは学ぶ場所」「ここは休む場所」と明確に分けることで、
子どもは状況に応じた切り替えを自然に身につけることができます。
このように構造化は、子どもにとっての「安心感」を生み出します。
安心感があってこそ、子どもは挑戦する勇気を持ち、
自らの力で問題を解決する力を培っていけるのです。
私たちは、子どもが自分の力で一歩を踏み出すための「土台づくり」として、環境の構造化を徹底しています。
水魚の交わりとしての学園
「水魚の交わり」という言葉に立ち返るとき、私たちの学園が目指しているのは、
大人と子ども、子どもと子ども、そして子どもと環境が互いに不可欠な存在として調和する場です。
子どもは環境に支えられながら成長し、その成長した姿がまた環境を豊かにします。
大人は子どもの姿から学びを得て、自らの関わりを省みることができます。
こうした双方向の関係が「共に育つ」場をつくりだすのです。
その意味で、
くき学園は単なる「学びの場」ではなく、
「生きる力を育む場」であるといえます。
子どもが困難に直面したとき、一人で抱え込むのではなく、
仲間や大人と支え合いながら乗り越えていく。
その経験こそが、将来の社会を生き抜く力となるのです。
私たちはその基盤を築くために、日々の環境づくりに心を砕いています。
子ども一人ひとりが主役となるために
大人の役割は、子どもを一方的に導くことではありません。
子ども自身が主役となり、自らの成長を実感できるように支えることです。
そのために、私たちは「子どもの声を聴く」ことを重視しています。
活動の計画や日々の生活の中で、子どもの思いや希望を反映するよう努めています。
子どもが自分の考えを大切にされていると実感することで、
自己肯定感が育まれ、主体的な行動が生まれるのです。
また、子どもが困難に直面したときには、その困難を取り除くのではなく、
乗り越えるための道筋を一緒に考えます。
構造化はそのための有効な手段であり、子どもにとっては「できた」という成功体験の積み重ねとなります。
そうした成功体験は、やがて「自分はやれる」という強い自信へと変わっていくのです。
日々の小さな工夫と積み重ね
「水魚の交わり」という言葉が示すように、子どもと環境は切っても切れない関係にあります。
教育立県を支える私たち「彩の国学舎 くき学園」は、子どもの成長を第一に考え、
構造化を通して子どもが安心して生活し、学び、挑戦できる環境を整えることに努めています。
それは決して一朝一夕で成し遂げられるものではなく、
日々の小さな工夫と積み重ねによって形づくられていくものです。
子どもは環境に支えられながら、自らの力で未来を切り拓いていきます。
その姿は、まさに水と魚とが互いを生かしあうように、大人と子ども、
子どもと環境が互いに響き合っている証しです。
私たちはこれからも、子どもたちが安心し、のびのびと成長できる環境を整え続けることで、
子どもたちの未来を守り、育んでまいります。