本日、今年度の絵画教室の最終日を迎えました。
この3日間、子どもたちとともに過ごした時間は、
絵を描くという活動を超えて、心の動きや成長、
そして「表現する喜び」に満ちた素晴らしいひとときでした。
絵画教室が始まる前、
多くの子どもたちは「うまく描けるかな?」「何を描いたらいいの?」
といった不安な表情を浮かべていました。
はじめの一歩を踏み出すことには、誰しも勇気が必要です。
しかし、いざ筆を手に取ってみると、
子どもたちはそれぞれのペースで少しずつ表現を広げていきました。
先生のアドバイスや、周りの友だちの取り組みに刺激を受けながら、
次第に「描いてみたい」「こんなふうに描いてみよう」という気持ちが芽生え、
表情にも自信が見えてくるようになりました。
今回の絵画教室では、一枚の絵にじっくりと向き合い、
時間をかけて描き上げた子もいれば、「もう一枚描いていい?」
と自ら進んで何枚も取り組む子もいました。どちらが良いというものではありません。
一枚の絵に想いを込め、時間をかけて描く集中力も素晴らしいことですし、
次々と描く意欲や発想力の広がりもまた、子どもならではのエネルギーの現れです。
作品の数にとらわれず、一人ひとりが自分のペースで、
自由に表現できたことが何より大切だと感じました。
3日間で完成した作品は、まさに十人十色。
色づかい、構図、テーマ、描き方・・・どれをとっても、
誰一人として同じものはありませんでした。
それぞれの絵に、それぞれの個性が息づいています。
ある子は自然をモチーフに、豊かな緑や青空をのびのびと描いていました。
別の子は、家族や動物、好きなキャラクターを描くことで、自分の「好き」を全力で表現していました。
また、ある作品では、抽象的な模様や色の重なりを用いて、
言葉にはならない感情や思いが伝わってくるような、不思議な魅力を放っていました。
このように、子どもたちの絵には、心の中の世界がそのまま映し出されています。
言葉で表すのが難しい感情や想像も、絵にすることで形になり、
他者と共有することができる。これこそが絵画の持つ力であり、
表現の豊かさなのだと改めて感じました。
また、絵を描くことを通じて、子ども同士の関わりも生まれていきました。
「〇〇ちゃんの絵、すごいね」「その色、どうやって塗ったの?」「それいいアイデアだね」といった、
あたたかな言葉のやりとりがあちこちで交わされていました。
互いの作品を認め合い、刺激し合うことで、新たな視点を得たり、
自信につながったりすることも少なくありません。
こうした相互作用もまた、絵画教室ならではの魅力の一つです。
子どもたちの中には、最初は自信なさげに小さな線しか描けなかった子が、
次第に画用紙いっぱいに色を広げるようになったり、「こんなの描けないよ」と言っていた子が、
先生と一緒に工夫しながら最後まで仕上げることができたりと、大きな成長が見られました。
その一つひとつの変化は、小さく見えても、子どもにとっては大きな一歩。
成功体験の積み重ねが、自己肯定感の芽生えにつながります。
さらに、保護者の方々からも、「こんな絵を描けるようになったんですね」
「家でも絵の話をたくさんしてくれるようになりました」
「描くことが好きになったみたいです」といった声をいただきました。
家庭での反応を伺うことで、経験が子どもたちの心にしっかりと根づいていることが伝わってきて、
私たち指導者にとっても大きな励みとなりました。
絵画教室を通して改めて実感したことは、「絵には正解がない」ということです。
子どもたちは、自分の目で見て、心で感じたものを、自分のやり方で描いていきます。
線がまっすぐであるか、色がはみ出ていないか、形が正確かどうかといったことよりも、
自分なりの発想や気持ちを込めることこそが、創造の原点です。
その自由さを大切にすることが、子どもの「描きたい」という意欲を育てるのだと思います。
今回の絵画教室では、指導者としての役割は、「教えること」以上に
「寄り添うこと」「見守ること」だったように感じます。
アドバイスを求められたときは適切に伝えつつも、
子どもが自ら考え、試し、描き続ける時間を尊重する。
そのプロセスを見守り、ちょっとした変化や頑張りに気づいて声をかける。
そうした関わりが、子どもたちの自己表現の世界をさらに広げてくれるのだと実感しました。
3日間の短い期間ではありましたが、子どもたちは一人ひとり、
自分のペースで確かな歩みを進めました。
そして、出来上がった絵には、その努力や成長の跡がしっかりと刻まれています。
個性が輝く作品の数々に、私たち大人も心を打たれ、
「こんな世界を見ていたんだ」「こんな風に感じているんだ」と驚かされることも多くありました。
最後に、この絵画教室に参加してくれた子どもたち、そして温かく見守り、
応援してくださった保護者の皆さまに心より感謝申し上げます。
子どもたちの可能性は無限です。
絵画という一つの入り口から、それぞれの感性や表現力が今後もさらに広がっていくことを、心から願っています。
そして何よりも、この絵画教室を通して、
子どもたちが「自分ってすごいな」「もっと描いてみたいな」と思えるような体験ができたこと。
それが、何よりの成果であり、今後の人生における大きな財産となることでしょう。
また来年も、子どもたちの笑顔と創造力に出会えることを楽しみにしています。