個性を生かした絵画教室の実施

本日、子どもたちを対象に絵画教室を実施いたしました。

この絵画教室は、子どもたち一人ひとりの個性を大切にし、

自分自身の思いや感じたことを自由に表現できる時間として位置づけられています。

絵を描くという行為を通して、子どもたちが自分と向き合い、豊かな心を育み、

また友だちと絵を見せ合いながらコミュニケーション力を高めていく・・・

まさに「描くこと」を核とした総合的な学びの場なのです。

最初の一歩は「不安」から

今日の絵画教室が始まる際、教室の空気には少しばかりの緊張感が漂っていました。

画用紙と画材を前にして、「うまく描けるかな?」「どうやって始めたらいいの?」という不安げな表情がちらほら見られました。

中には、筆を手に持ったまま、なかなか最初の一筆を下ろせない子もいました。

普段は活発に活動する子どもたちも、真っ白な画用紙を前にすると、

「正解」を探して戸惑ってしまうことがあるのです。

しかし、今日の絵画教室では、「正解はひとつではない」というメッセージを大切にしました。

絵は「こう描かなくてはならない」というものではありません。

自分が感じたこと、自分の目に映った色、自分の心が動いた瞬間を、

そのまま表現することが大切です。

そうした価値観を伝えることから、今日の絵画教室は始まりました。

先生の一言が背中を押す

子どもたちの背中を押してくれたのは、絵画講師の先生方の温かいアドバイスでした。

「好きな色を使っていいよ」「どこから描いても大丈夫」「思ったままを描いてみよう」という励ましの言葉が、

子どもたちの心を和らげてくれたのです。

ある子は「先生、ここに大きな木を描いてもいいですか?」と質問し、

先生は「もちろん!大きな木にどんな世界を広げるか、楽しみにしてるよ」と返しました。

その一言で、その子の目が輝き、すぐに筆を動かし始めました。

このように、子どもたちは一人ひとりが少しずつ心を開いていき、

自分の思い描く世界を自由に画用紙の上に表現しはじめました。

空や海、動物や建物、好きなキャラクター、そして夢の世界・・・。

それぞれの作品には、子どもたちの思いと個性があふれていました。

表現することの喜びと自信

描き終えた後、子どもたちは自分の作品を手にして、

じっと見つめたり、友だちや先生に見せたりしていました。

「こんなふうに描けると思わなかった」「自分でもびっくりした」と話す子がいたのがとても印象的でした。

自分自身の想像力と表現力に驚き、そして満足感を覚えた様子でした。

とある子は、普段あまり自分の思いを言葉で伝えることが得意ではありません。

しかし今日、その子が描いた色とりどりの海と空の絵には、見た人すべてが惹きつけられる力がありました。

「これは、夏に行った海の思い出なんだ」と恥ずかしそうに話してくれたその瞬間、

私たちは、絵が言葉以上の力を持って人の心を動かすことを改めて実感しました。

豊かな心を育む時間

この絵画教室のもう一つの大きな成果は、子どもたちの心が育っていく姿を見ることができたことです。

自分の思いを自由に表現することは、自分を認め、他者からも認められる喜びにつながります。

「あ、○○ちゃんの絵、すごくきれい!」「○○くんの空の色、好きだな!」という自然なほめ言葉が飛び交い、

子どもたちの間に温かい空気が生まれていました。

また、自分の作品を通して、友だちや、先生とコミュニケーションをとる場面も多く見られました。

絵について質問したり、工夫した点を語ったりする中で、

子どもたちは「話す」「聴く」姿勢を育てていました。

絵という共通の話題があることで、

いつもは話すことが少なかった子同士も自然に会話が生まれ、新たなつながりができていったのです。

真剣に描くことが生む集中力と想像力

絵を描くことは、ただ色をつける作業ではありません。

構図を考え、色を選び、順番を決め、細部まで想像を働かせていく集中力と創造力が求められます。

今日の絵画教室では、子どもたちが普段見せないほど真剣な表情で取り組んでいました。

中には1時間以上も立ち止まることなく筆を動かし続けていた子もいました。

こうした集中力の高まりは、学びに向かう姿勢としても非常に大切な力です。

「最後までやり遂げたい」「納得のいくところまで描きたい」といった気持ちが芽生え、

やり抜く力が育っていくのです。

そして、完成した作品はその努力の証として、子どもたちの自信と誇りとなって残ります。

絵を通して見える、子どもたちの世界

子どもたちの描く絵には、そのときの気持ちや興味関心、経験が反映されます。ある子は、最近読んだ絵本の世界を描いていました。別の子は、おばあちゃんの家で見た風景を丁寧に再現していました。これらの作品は、子どもたちの今の「心の中」を映し出していると言えます。

私たち大人は、こうした絵に込められた思いを丁寧に汲み取ることで、子どもたちの心の動きや成長の過程を理解することができます。絵画教室は、子どもたちを知る手がかりを与えてくれる大切な場でもあるのです。

「個性」を尊重する教育のあり方

今回の絵画教室では、あえて「お手本」は示さず、「自分で感じたことを描こう」という方針で進めました。

これは、他人と同じであることを良しとせず、自分らしさを大切にする教育の姿勢でもあります。

自分の表現を受け入れてもらえるという経験は、

子どもたちの自己肯定感を高め、より自由で柔軟な発想力を育ててくれます。

「みんなちがって、みんないい」という詩の一節のように、今日の絵画教室でも、

一人ひとりの違いが素晴らしいと感じられる空間が生まれていました。

完成した絵はどれも異なり、それぞれに魅力があり、

見る者に驚きと感動を与えてくれるものでした。

さらに、可能性を

本日の絵画教室を通して、子どもたちはたくさんのことを学びました。

自分の心と向き合い、感じたことを表現する力、そしてそれを通して人とつながる力。

こうした力は、これからの人生を生きていくうえで、何にも代えがたい「生きる力」へとつながっていくものです。

「絵を描く」という活動の中に、

こんなにも多くの可能性と学びがあることに、私たち大人も改めて気づかされました。

これからも、子どもたちの個性を尊重し、

自分らしく表現できる場を大切にしながら、共に育ち合っていきたいと思います。