協調・協働的学びが育む心と力

協働的な学び 宿泊学習

 

昨日、今日とある教室では宿泊学習へ出かけました。

日ごろとは違う環境に身を置き、集団で行動する中で、

子どもたちは多くのことを感じ、学び、体験しました。

今回の宿泊学習では、ニンジャパークでの全身を使ったアスレチック体験をはじめ、

皆でそろって食べる夕飯、順番に入るお風呂、朝起きての朝食といった、

日常とは異なる共同生活を通して、協調・協働の大切さ、自立への一歩を踏み出す力を育んでいきました。

 

ニンジャパークでは、ただ楽しいだけではなく、

挑戦と失敗、そして達成という貴重な経験がありました。

高い壁に挑む子ども、バランスを崩して何度も落ちる子ども、

そしてそれを見守り、応援する仲間の姿が印象的でした。

体を動かすことで体験できるのは筋力や体力だけではありません。

「がんばれ!」「あと少し!」という声が自然と飛び交う中で、

子どもたちは互いに励まし合い、思いやりや仲間意識を深めていきました。

 

夕食の時間には、みんなで一斉に「いただきます」をして、

普段の家庭とはまた違う雰囲気で食事を楽しみました。

苦手な食べ物に挑戦する姿や、おかわりの仕方を教え合う場面も見られました。

また、使った食器を片付けたり、次の人のためにテーブルを拭いたりといった行動も自然とできるようになっており、

「自分のことは自分で」「誰かのために動く」といった生活力も育っていました。

 

お風呂の時間には、順番を守ることや、タオルや着替えの準備を自分で整えることなど、

一人ひとりが自立に向かう大切なステップを踏みました。

普段は家族に助けてもらっていることも、宿泊学習では自分でしなければなりません。

こうした中で、困っている友だちにそっと声をかけたり、

「次、行こう」と声を掛け合ったりする姿も見られ、協力し合う気持ちが育っていることを実感しました。

 

宿泊学習の中で特に大切にしたのは「協調・協働的な学び」です。

学校生活の中でも「みんなで考えよう」「ともに取り組もう」という機会はありますが、

日常の枠をこえた環境の中で、寝食を共にしながら協力することは、

より深く子どもたちの心に残ります。自分の思い通りにいかないこと、

集団の中で譲らなければならないこと、誰かのために動くことの大切さなど、

実際に体験しないとわからない学びがそこにはありました。

 

一方で、こうした宿泊学習は「自立への道づけ」としても非常に意味のある経験です。

これまで保護者や先生がしてくれていたことを、自分の力でやってみる。

そして、うまくいかないことがあっても、あきらめずにもう一度挑戦してみる。

まさに、子どもたちが「生きる力」を身につける絶好のチャンスだったと感じます。

 

朝の時間には、自分で起きたり、荷物をまとめたり、布団をたたんだりと、

普段はあまり意識していない「生活力」を試される場面も多くありました。

中には「もっと寝ていたい…」という子もいましたが、誰かが声をかけ、

みんなで時間を守ろうとする姿がありました。これもまた協調の力であり、自立を支え合う姿であると思います。

 

また、先生たちが指示を出すだけではなく、

子どもたち同士で相談して動く場面が増えたことも大きな変化でした。

例えば、班で使う道具を誰が持つか、係の仕事をどう分担するかなど、

自然と会話が生まれ、自分たちで考えて行動する力が育っていることが感じられました。

これこそが、真の学びであり、「生きる力」の根本だと思います。

 

宿泊学習という非日常の中にこそ、大きな成長の種がありました。

仲間と過ごす中で、心が動き、行動が変わり、

自分自身の可能性に気づくことができた子どもたち。

帰ってきたときの表情は、出発前とは少し違って、たくましさと自信に満ちていました。

 

今回の宿泊学習を通して学んだことは、これからの学校生活や家庭生活、

そして将来にわたっても、きっと子どもたちの中に生き続けることでしょう。

協調・協働を大切にすること、失敗や困難も自分の力で乗りこえること、周りの人と助け合うこと。

これらすべてが、自立した一人の人間になるための大きな一歩だったと思います。

 

小学生・中学生・高校生の異年齢間による カレーづくり

 

また、ある教室では小学生・中学生・高校生が協力をしてカレー作りをしました。

それぞれの学年が、自分にできることを探し、声をかけ合い、

手を貸し合いながら、ひとつの料理を完成させるという貴重な体験となりました。

この日のテーマは「みんなで協力して、おいしいカレーを作ろう!」というものでした。

ただカレーを作るだけではありません。

材料の準備、調理、トッピングの工夫、そして盛り付けや後片付けまで、

すべてを子どもたちが主体となって行うことで、協力することの大切さや、

食事を共にする楽しさを実感することをねらいとしました。

 

最初は、学年の違う子どもたちがどこかぎこちない様子でスタートしました。

小学生の中には「何をしたらいいの?」と不安そうな表情を見せる子もいましたが、

中学生や高校生がやさしく声をかけ、

「一緒にじゃがいもの皮をむこうか」「玉ねぎの皮、これでむけるよ」と自然に手を差し伸べていきました。

その姿には、年上としての責任や思いやりがにじんでいました。

 

じゃがいもや人参、玉ねぎなどの野菜を切る時も、

それぞれが安全に配慮しながら手際よく進めていきました。

包丁を持つことに慣れていない中学生・小学生に対して、

高校生が「ここを押さえて切るといいよ」とやさしくアドバイスをしながら、

一緒に作業を進める場面もありました。

高校生は全体を見渡しながら、火加減や時間の調整を担当し、

まるで料理のリーダーのような役割を果たしていました。

 

野菜を炒めると、キッチンの中はカレーの香ばしい香りに包まれ、

自然と子どもたちの表情にも笑顔が広がっていきました。

「わあ、いいにおい!」「早く食べたいね!」という声があちこちから聞こえてきて、

カレー作りがみんなの心をひとつにしていることが感じられました。

 

煮込んでいる間には、カレーに合うトッピングを考える時間が設けられました。

「チーズをのせたらもっとおいしくなると思う!」「ウインナーを焼いてのせたい」と意見を出し合い、

それぞれが自由にアイデアを出しながら工夫していました。

自分のアイデアが取り入れられることで、子どもたちの表情は生き生きとし、より一層意欲的に取り組んでいました。

 

やがて、カレーが完成し、いよいよ盛り付けの時間になりました。

そして、自然な流れができ「お皿こっちに置いて!」「次、盛り付けていい?」といった声が飛び交い、

チームワークの良さが目立ちました。

テーブルに並べられたたくさんのカレーは、どれもそれぞれの工夫が感じられるものでした。

チーズがとろけてカレーに混ざり合うもの、ウインナーがカリッと焼けてアクセントになっているもの、どれもとてもおいしそうでした。

そして、いよいよ「いただきます」の合図で、みんなそろっての食事の時間が始まりました。

みんなで一緒に作ったカレーを、同じテーブルで笑いながら食べる・・・。

それはとてもあたたかく、心が満たされる時間でした。

中には「いつもよりずっとおいしく感じる!」という声もあり、

「誰かと協力して作って、誰かと一緒に食べる」ということの意味を実感できたようでした。

 

こうした食育の体験は、単に料理の技術を学ぶだけではありません。

他者と関わる力、思いやりの心、自分の役割を果たす責任感、そして感謝の気持ちを育むための貴重な機会となります。

カレー作りという活動を通して、子どもたちは「協力すればできる」という達成感を味わい、

「みんなで食べるとおいしい」という喜びを知り、自信と満足感を得ていったのです。

 

後片付けもまた大切な学びの場です。「洗い物やるよ!」「お皿、拭いていい?」と、

自分から進んで手伝う姿があちこちに見られました。

「食べたら終わり」ではなく、

「片付けまでが料理である」ということを体験を通して知ることができたのは、大きな成長の一歩です。

 

この日、子どもたちが見せた姿には、年齢や立場の違いをこえて助け合い、学び合う力があふれていました。

小学生は中学生や高校生の姿を見て学び、中学生は教えることで理解を深め、

高校生はリーダーとして責任を持つ経験をしました。

それぞれが役割を持ちながら、誰一人として取り残されることのない活動となり、

まさに「共に育つ」教育の原点がそこにはあったのです。

 

カレーという一つの料理を通して、

子どもたちは「協力」「工夫」「感謝」「楽しさ」といった、人生にとって大切なエッセンスをたくさん吸収しました。

今日のこの体験が、明日からの学びや生活、そして将来にわたって心の中で生き続けていくことを願っています。

今後もこのような協働的な実践の機会を大切にし、子どもたちの豊かな人間性と生きる力を育んでいきたいと強く感じました。

 

さらに、今日も水泳教室では様々な子どもたちの挑戦する姿が見られました。

 

 

主体的・協働的な学びをさらに

 

宿泊学習、カレー作り、水泳教室・・・子どもたちが実際に身体を動かし、

人と関わりながら学ぶ「体験教室」には、多くの教育的な意義があります。

特に、協調・協働的な学びがもたらす効果は大きく、知識だけでは得られない“生きた学び”がそこには存在します。

 

宿泊学習では、家庭を離れて共同生活を送りながら、時間を守ること、自分のことを自分で行うこと、

他者と譲り合うことなど、生活の中での協調の力が育まれました。

自分勝手な行動ではなく、全体を見て動く力、

仲間と気持ちを合わせて行動する大切さを、子どもたちは自然と学んでいきました。

 

カレー作りでは、小学生から高校生までが学年を越えて協力する場面が数多く見られました。

「自分にできることは何か」を考え、

役割を果たしながら、お互いを認め合い、支え合う姿に、

子どもたちの成長を実感しました。自分の力を発揮するだけでなく、

仲間の力も信じ、共に取り組むことでこそ達成できる喜びがあったのです。

 

水泳教室においても、仲間のがんばる姿に刺激を受け、「自分もやってみよう」と挑戦する姿勢が育ちました。

また、できなかった子に「大丈夫、一緒にがんばろう」と声をかける子どもたちの姿から、

支え合う心や相手を思いやる気持ちが根づいていることが伝わってきました。

このような体験活動を通して、子どもたちは人と関わる中で自分を見つめ、行動し、学びを深めています。

協調性、主体性、社会性、感謝の心など、これからの時代に求められる「人としての力」が確実に育まれています。

 

教育立県彩の国学舎 くき学園では、こうした豊かな学び、確かな学びのもとで、

今後も子どもたちの心と力を育む体験学習をさらに充実させてまいります。

ひとり一人の可能性を信じ、実体験を通した「気づき」「感じる力」「考える力」を大切にしながら、

子どもたちが社会でたくましく生きる力を身につけていけるよう、今後も学びの質と機会を広げていきます。