久喜提灯祭りに学ぶ 大人の本気さ

本日、ほとんどの学校で、

 終業式が行われました。

 

子どもたちは、通知表を指導員に、

見て見てと・・・

これって、いい方なの・・・

この先生の言葉、「すごくうれしいんだ」と・・・

数学、初めて、「5」をもらって、うれしいんだ・・・

などなど・・・、

子どもと指導員の絆によるものと・・・。

指導員冥利に尽きます。

 

 

また、久喜市では、毎年七月に、

「久喜提灯祭り」という歴史と伝統ある行事が盛大に開催されます。

この祭りは、約二百年にわたって地域の人々に受け継がれ、

大人から子どもまでが一丸となって取り組む地域行事の一つです。

大人たちの真剣な姿、そして地域を挙げて準備に励むその様子は、

まさに「大人の本気さ」が詰まった文化とも言えます。

この久喜提灯祭りを通して、子どもたちは地域性や人と人との絆、

さらには生きる力としての人間力、豊かな学びの数々を感じ、

将来にわたって大きな財産としていくことができます。

久喜提灯祭りという具体的な地域行事をもとに、そこから得られる学びや成長について考えていきたいと思います。

 

地域に根差した文化としての久喜提灯祭り

久喜提灯祭りは、江戸時代から続く歴史ある祭りであり、

その由来は疫病退散や五穀豊穣を願ったことに始まると伝えられています。

昼間は華やかな山車が町を巡り、夜には無数の提灯が灯され、幻想的な光景が広がります。

この提灯の一つ一つには地域の方々の思いが込められ、

町内ごとに力を合わせて山車を動かし、音頭を取り、囃子を響かせます。

 

この祭りの準備は半年以上前から始まり、町内の役員や若衆、婦人会など、

多くの人が役割を持って関わります。

それぞれが真剣に役目を果たし、伝統を守ろうとするその姿は、

子どもたちにとって何よりの学びとなります。

「祭り」というと、表面的には楽しそうに見えるかもしれませんが、

そこには多くの努力や苦労、準備といった裏方の働きがあります。

それを間近で見られることこそ、地域に根差した文化の強みと言えるでしょう。

 

大人の本気が子どもに与える影響

大人たちは、仕事が終わってからも集まり、汗を流しながら準備に励みます。

その姿勢に手抜きはありません。木材を削り、提灯を整え、

細部に至るまで丁寧に仕上げていく様子は、まさに「大人の本気」を体現しています。

子どもたちはそんな大人の背中を見ながら、

自分たちも自然と役割を持とうとする意識が芽生えます。

 

この「本気さ」は、言葉では伝えきれない部分があります。

ただ一生懸命に取り組む姿を見せるだけで、子どもは何かを感じ取ります。

それが責任感であり、仲間とともに成し遂げる協調性であり、

粘り強さであり、困難に立ち向かう覚悟でもあります。

 

また、地域全体が一体となって取り組むこの姿勢は、

子どもたちにとっては「社会性」や「つながり」を学ぶ貴重な機会となります。

自分たちが住む町には多くの人がいて、それぞれが支え合い、伝統を守っている。

こうした事実を実体験として知ることは、机上の学び以上に深く心に残るものです。

 

地域性と人間力を育む

久喜提灯祭りのような行事を通じて、子どもたちは自分のふるさとに誇りを持つようになります。

地域に伝わる文化や歴史を知ることは、アイデンティティの確立にもつながります。

「自分はこの町の一員だ」という自覚は、今後どのような場面でも生きる心のよりどころとなります。

また、地域行事には必ずと言っていいほど「人間関係」があります。

世代を超えての交流、町内の人々との関わり、言葉遣いや礼儀、配慮といった、

生活力とも言える力が自然と身についていきます。

 

子どもにとって、大人と対等に接しながら物事を成し遂げる経験は、

学校や家庭では得難い貴重な体験です。この中で培われるのは、まさに人間力です。

失敗しても叱られながら、何度も挑戦することで、人は少しずつ成長していきます。

提灯の飾り付け一つとっても、最初はうまくいかないかもしれません。

しかし、そこで投げ出さず、諦めずに工夫を重ね、手を動かし続ける経験が、心をたくましく育てていきます。

 

豊かな学びの機会として

久喜提灯祭りの取り組みは、単なる祭りではなく、総合的な学びの場でもあります。

文化・歴史の学びとして、祭りの由来や意義を知ること。

技術・技能として、山車や提灯の作り方、運行の方法を身につけること。

コミュニケーションとして、世代や役職を超えた人々との関わりを深めること。

そして、責任感や協調性といった社会性を育むこと。

それらすべてが複合的に重なり合い、豊かな学びとなります。

 

また、現代の子どもたちはデジタル社会の中で多くの情報を受け取っていますが、

実体験に基づく学びはそれらとは質が異なります。

地域の大人たちが時間と労力を惜しまず、

心を込めて伝統を守る姿を見ることは、何よりの教育となります。

言葉だけで「協力が大事」「伝統を大切に」と言っても、

実際に目の前でそれが行われていなければ、説得力はありません。久

喜提灯祭りは、その生きた教材と言えるでしょう。

 

伝統を子どもたちへ

久喜提灯祭りは、単なる地域の伝統行事ではありません。

そこには「大人の本気」があり、地域の誇りがあり、世代を超えたつながりがあります。

その中で育まれる人間力は、子どもたちの未来にとって大きな支えとなります。

久喜の町で生きる大人たちが本気で取り組む姿こそ、子どもにとって何よりの学びであり、成長の糧となるのです。

 

子どもは大人の背中を見て育ちます。

久喜提灯祭りを通じ、地域が一丸となって未来を担う子どもたちに

「本気で生きる」ということを伝え続けていくこと。

それこそが、豊かな学びを支え、地域と人を育む大きな力になると信じています。