私たちが日々、出会う子どもたちは、
一人ひとりがかけがえのない個性と可能性を持っています。
そんな子どもたちが、
自分で気づき、感じ、そして考える力を伸ばしていくためには、
何よりも「安心できる環境」が必要です。
「傾聴・共感・認め・褒める」という4つの関わり方を大切にしながら、
子どもたちが自発的に成長していける環境づくりについて、
私たちの実践や想いを交えてお伝えいたします。
1.子どもが「気づく」力を育むには
子どもが何かに気づくということは、学びの第一歩です。
そしてこの「気づき」は、大人が教えることで得られるものではなく、
子ども自身の体験や探究心から生まれてくるものです。
たとえば、ブロックで遊んでいた子が、「もっと高く積みたい」と思った瞬間、
そこには「工夫したい」という気づきが生まれています。
このとき、私たち大人が一方的に「こうすればいい」と教えるのではなく、
まずはその気持ちに耳を傾けることが大切です。
傾聴と共感が気づきを支える
「そっか、高く積みたいんだね」と、
その子の気持ちに共感しながら言葉を返すことで、
子どもは「自分の気持ちをわかってもらえた」と感じます。
その安心感が、次の行動への意欲へとつながります。
時には、「うまくいかない・・・」と悔しさを感じることもあるでしょう。
そんな時こそ、「悔しいよね」「がんばってたもんね」と言葉をかけてあげることで、
子どもは自分の感情を受け止めてもらえたと実感し、再チャレンジする力を得るのです。
2.「感じる」ことを大切にする環境
子どもたちは、日々さまざまなことを「感じて」います。
楽しい、嬉しい、悲しい、悔しい、不安、安心・・・。
その感情を素直に感じ、表現することができる環境は、心の発達にとってとても大切です。
くき学園では、集団の中での関わりや、遊び、活動を通して、
子どもたちはたくさんの感情を体験しています。
私たちスタッフは、その感情の動きを丁寧に見つめ、寄り添っていきたいと考えています。
感情を受け止める=「認める」こと
たとえば、思い通りにならなかったことで泣いてしまった子がいたとします。
その時、「泣かないの!」と感情を否定してしまうのではなく、
「悔しかったんだね」「嫌だったよね」とその気持ちを認めることが何より大切です。
認められた子どもは、自分の感情に自信を持つことができ、
それを次の行動に活かすことができます。
そして、次第に自分の気持ちを言葉で表現できるようになり、
他者との関係も豊かになっていきます。
3.「考える」力を伸ばす関わり
考える力は、一人ひとりの子どもの中に元々備わっているものです。
ただ、それを引き出すためには、大人の「関わり方」が大きく関係しています。
私たちは、子どもが何かに挑戦しようとした時、そのプロセスを大切にします。
うまくできるかどうかよりも、「どうしたらできるか」を一緒に考える時間を重視しています。
答えを与えず、問いを返す
「どうやったら上手くいくと思う?」「次は何をしてみたい?」
そんな問いかけは、子どもに「自分で考える」機会を与えます。
このとき、私たちは急いで答えを出さず、
子どもが自分のペースで考えられるように待つ姿勢を意識しています。
そして、小さな「ひらめき」や「工夫」を見せてくれたときには、
すかさず「それ、いいね!」と声をかけます。
これは、子ども自身の思考を「認め、褒める」ことで、次の思考や挑戦へとつなげていく関わり方です。
4.「傾聴・共感・認め・褒める」ことで生まれる信頼関係
私たちが大切にしている4つの関わり
「傾聴」「共感」「認める」「褒める」は、
すべて子どもとの信頼関係を築くための土台となるものです。
傾聴:話を「聴く」姿勢
子どもの話を最後まで丁寧に聴くこと。
言葉にできない時には表情や動きに注目し、
子どもの心の声を聴く姿勢を持つことが、子どもの安心感につながります。
共感:心を寄せる
子どもの感情に「わかるよ」「そう感じるよね」と共感することで、
自分の気持ちを大切にしてくれる存在がいると感じられます。
認める:ありのままを受け入れる
子どもが何かをした時、「できた・できなかった」で判断するのではなく、
その行動や思考の過程を「がんばってたね」「考えてたね」と認めることが、自己肯定感につながります。
褒める:成果ではなく、過程を褒める
「すごいね」と褒めるだけでなく、「工夫したね」「最後まであきらめなかったね」と、
行動や努力に焦点を当てた褒め方を意識しています。
これにより、子どもは「もっとやってみよう」という気持ちを育むことができます。
5.日々の小さなドラマが、成長の原動力
放課後等デイサービスの現場には、毎日たくさんの小さなドラマがあります。
最初は人と関わるのが苦手だった子が、「一緒に遊ぼう」と声をかけられるようになったとき。
うまく話せなかった子が、自分の気持ちを言葉にできたとき。
それは大人の目から見れば、ほんの小さな一歩かもしれません。
しかし、子どもにとっては大きな「できた」の積み重ねです。
そしてその「できた」を大切にすくい上げ、
喜び合うことで、子どもは「もっとやってみたい」と思うようになります。
6.最高の環境とは「人との関わり」でつくられる
私たち教育立県彩の国学舎 くき学園は、
子どもたちが自ら気づき、感じ、考え、成長していけるような
「最高の環境」をつくりたいと願っています。
その環境は、特別な道具や施設によってではなく、
子どもと丁寧に向き合う「大人のまなざし」によってつくられます。
傾聴し、共感し、認め、褒める。
そんな日々の積み重ねの中で、子どもたちは「自分は大切な存在なんだ」と実感し、
自信を持って歩んでいけるようになります。
これからも、私たちは子どもたち一人ひとりと真剣に向き合い、
それぞれのペースを尊重しながら、共に歩んでいく存在でありたいと考えています。