「起きてえらい!」
「おはよう言えてえらい!」
「学校に行こうとしてえらい!」
そんなやさしい言葉をかけてくれるキャラクター、コウペンちゃん。
私たち大人にとっても、思わず心がほぐれてしまうようなその存在は、
今、多くの人々の心を癒やしています。
そして、子どもたちにとっても、コウペンちゃんの言葉は、
温かな励ましであり、自分の存在を肯定してくれる力強い味方です。
このコウペンちゃんのメッセージには、子どもの自己肯定感を育てるためのヒントが詰まっています。
この記事では、大人の目線から、コウペンちゃんの言葉に学びながら、
子どもに対する接し方を見つめ直してみたいと思います。
「えらいね」の魔法・・・小さなことに気づき、認めること
大人になると、つい「できて当たり前」「やるのが普通」と思いがちになります。
しかし、子どもにとっては日々の一つひとつが挑戦の連続です。
朝起きること、顔を洗うこと、学校に行くこと、
忘れ物をしないようにすること・・・どれも簡単なことではありません。
コウペンちゃんは、そんな「ちいさな一歩」を見逃さず、「それだけでえらい」と言ってくれます。
その姿勢は、子どもを肯定するうえで非常に大切な要素です。
私たち大人が意識すべきことは、「できたことを認める」よりも先に、
「やろうとしたこと」「やってみたこと」を認める視点です。
たとえば、宿題を全部できなかったとしても、「机に向かったんだね、えらいよ」と声をかける。
友だちとけんかしてしまっても、「ちゃんと話そうとしてえらいね」と伝える。
大人のこのような言葉が、子どもの心に灯をともすのです。
「存在をそのまま受けとめる」ことの大切さ
コウペンちゃんは、「できたこと」だけでなく、
「いてくれるだけでえらい」「今日をがんばっただけですごい」と語りかけてくれます。
これは、子どもにとって何より大きな安心感になります。
「なにもできなくても、自分はいていいんだ」と思える感覚
それこそが自己肯定感の根っこです。
大人の視点から見れば、子どもに「もっと頑張ってほしい」「もっとできるはず」と思うこともあるでしょう。
もちろん、期待を持つことは悪いことではありません。
ただし、その前にまず「今のあなたでいいよ」と伝えることが、
子どもの自己肯定感を支える第一歩なのです。
ある小学生の男の子が、「ぼく、サッカーの試合で全然活躍できなかったんだ」と落ち込んで帰ってきたとき、
お母さんはこう言いました。
「でも、休まず行ったんでしょ?仲間を応援してたって先生が言ってたよ。あなたはすごいよ」。
その子はその後もサッカーを続け、今ではキャプテンを務めるようになったそうです。
もしあのとき、「もっとがんばらなきゃだめよ」とだけ言われていたら、彼の心はくじけていたかもしれません。
子どもは「評価」よりも「共感」を求めている
私たち大人は、子どもが何かをしたときに、
つい「すごいね!」「えらいね!」という“評価”の言葉をかけがちです。
もちろん、その言葉も悪いわけではありません。
しかし、ときにはその言葉が「○○できないと認めてもらえない」と子どもに感じさせてしまうこともあります。
一方で、コウペンちゃんの言葉は「評価」よりも「共感」に近いものです。
「朝起きただけでえらい」「今日もがんばってえらいね」という言葉には、
子どもと同じ目線で寄り添い、苦労や努力を理解しようとする姿勢があります。
大人が子どもに寄り添うとは、何かアドバイスや指導をすることではなく、
「わかるよ」「そうだよね」と気持ちを受けとめることから始まります。
失敗したときに「なにやってるの!」ではなく、
「くやしかったね」「がんばってたの、知ってるよ」
と伝えるだけで、子どもは立ち直る力を取り戻します。
「大人自身の自己肯定感」も大切にしたい
子どもを育てる大人自身が、自分を肯定できていないと、
子どもにも同じまなざしを向けるのが難しくなります。
「私なんて…」「ちゃんとできてない…」という思いが強すぎると、
子どもにも無意識のうちに「ちゃんとやらなきゃダメ」という価値観を押しつけてしまいがちです。
だからこそ、大人もコウペンちゃんの言葉に耳を傾けてほしいのです。
「今日も一日、生きてえらい」「疲れてるのに、がんばっててすごい」と。
大人自身が、自分の努力や存在を認められるようになると、
不思議と子どもに対しても自然にやさしい言葉が出るようになります。
完璧でなくていい。毎日うまくいかなくて当たり前。大人も子どもも、そう思える社会であってほしいと思います。
子どもの「10年後・20年後」を支えるために
子どもの自己肯定感は、一朝一夕には育ちません。
むしろ、日々の小さな積み重ねこそが、大きな自己信頼の基礎となっていくのです。
コウペンちゃんのような存在が子どもの心を温め、
大人の温かいまなざしがそれを包み込むことで、
子どもは「どんな自分でも愛される」と感じることができます。
この感覚を持った子どもは、将来、壁にぶつかったときにも、「どうせ自分なんて」とは思わず、「今はうまくいかないけど、大丈夫」と乗り越えていけるはずです。
私たち大人にできることは、子どもに「がんばれ」と言うことではなく、
「がんばってるね」と言ってあげること。
コウペンちゃんのように、ささやかでも温かい言葉をかけ続けること。
その積み重ねこそが、子どもにとって「自分って大丈夫なんだ」と思える土台になるのです。
子どもにとって、世界で一番身近な大人・・・それは親であり、先生であり、周囲の大人たちです。
そしてその大人が、自分を信じてくれて、
やさしく声をかけてくれる存在であることほど、子どもにとって大きな安心はありません。
「今日も生きててえらいね」
この一言から、子どもとの信頼関係が築かれ、
自己肯定感が育っていきます。
コウペンちゃんに学ぶそのまなざしを、どうか私たち大人が日々の中で大切にしていけますように。
子どもの笑顔の未来のために。
コウペンちゃんとは?
コウペンちゃんは、イラストレーターのるるてあさんによって生み出された、コウテイペンギンの赤ちゃんをモチーフにしたキャラクターです。2017年頃からSNSやLINEスタンプなどで人気が急上昇し、現在では書籍やグッズ、カフェとのコラボレーションなど、さまざまな展開を見せています。