今、目の前にいる子どもたちは、10年後には成人し、20年後には社会の中核を担う存在になっています。
彼らが歩む未来は、今私たち大人が生きてきた時代よりも、
さらに変化が激しく、予測が難しい世界であることは間違いありません。
技術革新が進み、グローバル化が進展する中で、子どもたちが自分らしく生き抜き、
豊かに人生を切り拓いていくためには、「学力」だけでなく、「人間力」が求められる時代です。
「人間力」とは、知識や技能にとどまらず、
人との関係性を築く力、困難を乗り越える力、
自らの意思で判断し行動する力など、生きる力全般を指します。
この人間力を、どのように育み、子どもたちの持つ可能性を引き出していけるのか。
それが、今を生きる私たち大人に課せられた大きな問いであり、責任でもあります。
子どもたちが10年後、20年後に、希望をもって未来を歩んでいくためには、
私たちがまず「信じること」から始めなければなりません。
子どもたちは皆、計り知れない可能性を持っています。
しかし、その可能性は、時に本人さえ気づかないほど深く眠っていることもあります。
私たち大人が子どもの良さに気づき、声に出して認めていくことで、
その可能性は少しずつ目を覚まし、やがて芽吹いていきます。
たとえば、ある子どもが友達にやさしく声をかけている姿を見かけたとします。
そのときに、「あなたのそのやさしさ、すごく素敵だね」と言葉にして伝えること。
それだけで、その子どもは自分の中に「やさしさは大切な力だ」と気づき、
自信を持つようになります。そして、やさしさという人間力をさらに育んでいくのです。
日常の小さな行動を見逃さず、認めること。それは、未来の可能性を育てる種まきなのです。
また、失敗やつまずきの中にも、成長のチャンスが隠れています。
何かに失敗したとき、私たちはつい「なぜ失敗したの?」と問い詰めたくなります。
しかし、そのときこそ「よくチャレンジしたね」と認め、
共にふりかえる時間を持つことが大切です。
失敗の意味を理解し、どう乗り越えるかを考える経験は、
子どもにとってかけがえのない「生きる力」になります。
大人が子どもに寄り添い、傾聴し、共に悩みながら前を向く姿勢を見せることで、
子どもは「困難を乗り越える力」を自然と身につけていきます。
さらに、社会全体として「一人ひとりが違っていい」という価値観を育てることも重要です。
人は皆、それぞれ違う個性と特性を持っています。
誰かと比べるのではなく、その子自身の歩みに焦点を当てることで、
子どもは「自分らしく生きること」に誇りを持つようになります。
たとえ苦手なことがあっても、それを補う力を持つ他者とのつながりを大切にできる力こそ、
これからの社会で必要な「協働力」なのです。
子どもは、周囲の大人の姿をよく見ています。
大人が他人に対してどのように接しているか、困ったときにどう向き合っているか、
喜びや悲しみをどう表現しているか。
そうした日々の「背中」を通じて、子どもは人としての在り方を学びます。
つまり、私たち大人が「どう生きているか」が、そのまま子どもへの教育となるのです。
だからこそ、大人自身も学び続け、心を耕し、変化を恐れずにチャレンジする姿を見せていく必要があります。
今、学校や家庭、地域が連携しながら、子どもを中心に据えた関わりを広げていく動きが全国で見られます。
たとえば、地域の大人が学校に足を運び、キャリア教育や体験活動のサポートをする取り組みや、
家庭と学校が連携して子どもを見守る仕組みづくりなど、
子どもに関わる大人の「つながり」が大きな力になっています。
子どもは、「自分を支えてくれる大人がこんなにたくさんいるんだ」と感じることで、
社会に対する安心感や信頼を育みます。
そして、その安心感が「自分も誰かの役に立ちたい」という心を育て、未来へとつながっていくのです。
私たちは、子どもたちが生きていく未来を「明るい未来」にしていきたいと願っています。
そのためには、目の前の子どもたちに対して、
今、私たちに何ができるのかを問い続ける姿勢が必要です。
急激に変化する社会の中で、答えは一つではありません。
しかし、「子どもたちの可能性を信じ、寄り添い、共に成長していく」という姿勢だけは、
どんな時代になっても変わらない大切な土台です。
10年後、20年後に、今の子どもたちが自分らしく輝き、
周囲と支え合いながら、豊かな人生を歩んでいく姿を想像してみてください。
その姿は、きっと今の私たちの関わりの延長線上にあるのです。
私たち大人が、子どもたちの未来に責任をもち、
一人ひとりに真剣に向き合っていくことで、子どもたちの持つ
「豊かな人間力」と「無限の可能性」は、確実に育っていきます。
その未来が「明るい未来」であるために、私たち大人ができることは無限にあります。
声をかけること
認めること
聴くこと
信じること
共に笑い
共に悩むこと。
そして何より、
「あなたはそのままで素晴らしい」
というメッセージを送り続けること。
それこそが、子どもたちにとって何よりのエールとなり、未来への原動力になるのです。